あけほのむらさき

花も鳥もこころの旅にいく昔いくうつりして春はあけほの

2018-03-01から1ヶ月間の記事一覧

言語の形態的類型

言語の形態的類型を、大辞林から4つ示す。 膠着語=言語の形態的類型による分類の一。実質的な意味をもつ単語あるいは語幹に、文法的な機能を持つ要素が次々と結合することによって、文中における文法的な役割や関係の差異を示す言語。朝鮮語、トルコ語、日…

邂逅

本との出会いは、奇跡に近い。特に個人的な体験からすると、世紀の名著、小西甚一の『日本文学史』との邂逅は今振り返ってみても、やはり奇跡だった。 今から二十数年前になる。おりしも、世の中は日本語ブーム。帰省の際に訪ねた駅前書店の入り口には、日本…

清水好子論文集

刊行されたとき、奮発して一巻から三巻まで全三冊を購入した。以来、読もう読もうと思っていてもなかなか実現できずいたのだが、やっと時間の有り余る日日を手に入れた。 論文集にも拘わらず行間を追い出すと、とても心地よい。京ことばの抑揚が伝わってくる…

短歌とは(  )のようなものである

巷で話題に上っていたので、考えてみた。まず最初に浮かんだ言葉は「絵画」。いつも絵画を描くように言葉を並べている。三十一文字にイメージの浮かびあがる瞬間が心地よく、ただただ絵筆を運ぶように言葉に思考を傾ける。短歌とは、言葉により心象風景を描…

平安人の心で『源氏物語』を読む

平安時代の文化、習慣、風俗を知り、平安人が味わったように『源氏物語』を繙いてみよう―。そう語りかけながら平安社会を様々な角度からとらえた『平安人の心で「源氏物語」を読む』は、あらすじ収録の各帖ごと当時を紹介するテーマを定め、現代人を往時へと…

源氏物語の時代

濃霧に覆われ、現れたかと思えばふいに消え、近づいたかと思えばうっすらと遠ざかる。そんな自分にとり分かったようで分からないままにあった和歌史にかかわる謎が、快著『源氏物語の時代―一条天皇と后たちのものがたり』により仄かに明かされ始めた。たとえ…

古今和歌六帖

歌を詠み交わした平安時代、歌のあんちょことして愛用されていたのが『古今和歌六帖』という。約四千首が掲載され、類別は立春から歳暮まで歳時や自然の景物、服飾、恋愛、祝賀などを取り上げ多岐にわたる。 平安人が作歌の際に換骨奪胎しながら利用していた…

古歌

「短歌」という言葉の使用を何となく忌避している。個人的に「歌」と呼称することが多い。千年の歴史を紐解けば、もとは、長歌、短歌、旋頭歌の一分類に過ぎず、明治以降、旧時代の和歌と区別する目的で新時代の短歌ともてはやされるようになった。古いもの…

真善美

真善美は、人間の理想の生き方の核をなす。ギリシャ哲学から生まれた概念で、後にヨーロッパ哲学において定着していったという。 人間の理想である、真と善と美。それぞれ、学問、道徳、芸術の追求目的といえる、三つの大きな価値概念。『大辞林』 人間とし…

ただの紙のいと白うきよげなるに

気持ちの整理をして背筋を伸ばすとき、清少納言のことばを想起する。「御前にて人々とも…」の段。世辞が腹立たしく心が晴れない、生きることに嫌気がさしどこかに行ってしまいたい、と彼女が落ち込んでいるときに。 ただの紙のいと白うきよげなるに、よき筆…

©akehonomurasaki