あけほのむらさき

花も鳥もこころの旅にいく昔いくうつりして春はあけほの

真善美

 真善美は、人間の理想の生き方の核をなす。ギリシャ哲学から生まれた概念で、後にヨーロッパ哲学において定着していったという。

人間の理想である、真と善と美。それぞれ、学問、道徳、芸術の追求目的といえる、三つの大きな価値概念。『大辞林』

 人間として、この3つを常に覚えていたい。真善美を追求することは、己を磨くことのみならず他者への思いやりにもつながるからである。真善美には、他者を大切にする気持ちが宿っている。真善美に触れるときの心地よさは、自分が大切にされていることを確信する平安を示しているのだと理解する。

 つまり、真善美は自分にとり歌を詠むときの基本でもある。常に真善美を心がけ、心を澄まし歌を詠む。また、日常語でも、真善美を忘れたくない。さらに社会的現場を持っていれば、より他者を思いやり自然に尊敬と感謝の気持ちを表現できるだろう。

 真善美を追求する生き方のこつは、小さく生きることにある。大きく豪奢では真善美が見えなくなる。小さく深く根を張ることが大切だ。

 慎ましく小さく生きる。 

©akehonomurasaki