あけほのむらさき

花も鳥もこころの旅にいく昔いくうつりして春はあけほの

2018-11-01から1ヶ月間の記事一覧

礼記

清少納言の視覚絵画的表現を追究する学びのほかに、もうひとつ探究したいテーマがある。春秋論争である。いつ、どこで、どのように始まったのか。日本では「中国から伝わった」と説明が付くけれど、どこにもその起源を探せないでいる。そこで読んでみたかっ…

日本的象徴を追う

所属結社の精神を振り返りながら、自らの方向性を確かめてみる。 潮音の創設者である太田水穂は古典和歌に親しんだ後、芭蕉俳諧の象徴から学び、蕉風を短歌にうつそうとして三十一音における「日本的象徴」を提唱した。 その芭蕉は、唐詩と古典藝術の影響を…

清少納言集

『清少納言集』は異本と流布本があり、本人以外の歌も含む。清少納言の死後、親しい人により編まれたという。今回手にしたものは全 42 首を収録。うち、数えてみたところ恋歌が 24 首 で、それ以外は、人間関係、身上を嘆く歌など、全体的に袖の濡れるウェッ…

枕草子から

歌は最期まで詠み続けるわけだが、その間の究極の目的は、清少納言曰く「書(ふみ)は文集。文選。新賦。史記。五帝本紀。願文。表。博士の申文。」(枕草子)に従い、文集、文選…を学びたい。清少納言を読み解くには、ここから読まなければ…と思ったことが…

大和言葉と唐言葉、今様言葉

入社したころの話、ふたたび。指導者は万葉仮名に詳しく、唐言葉が好き。一首のなかで一語、あるいは二語、有効な漢語を使用することを薦めていた。確かに、三十一音において、漢語の使用はメリハリを生む。印象が濃くなり、イメージがきりりと引き締まるの…

旅の友

『大手拓次詩集』…日々、音読の友。好きな詩を毎晩、何度も読んでしまう。「色」を駆使した色彩イメージが好き。「香り」も、想像を掻き立てられる。そこには、やさしくかなしい孤独がある。不可能なことだが、お会いしてみたい方だ。どのような話し方をされ…

駄作

今井杏太郎の言う「駄作も必要」の意味が、異なる角度から見えてきた。「つぶやけば短歌」を実践する凡人である以上、駄作ばかりである。以前数えてみたら納得できる歌は1割ほどだった。しかも自分の場合、花鳥詠しか興味がないので、毎日、自然ばかりを詠…

拓次の文語詩・口語詩

『大手拓次詩集』は、散文詩を含めたほとんどが口語詩なのだが、終盤に少し文語詩が載る。口語詩を読み終えた後に文語詩を読むと、また味わいが異なる。染み入ってくる。感覚として自分には、文語詩のほうが鋭く深く、染み入ってくる。たぶん、文語の語感を…

わからなさについて

写生vs象徴。ずっと言われ続けていることについて振り返ってみる。別の視点として、口語vs文語も絡める。 象徴短歌は、わかりにくい――。他社の方に出会うとよく言われることだ。ここではどうしても、結社内外での享受者層の差が表れる。個人的に、写生派…

続大手拓次

置かれている状況からか、言語はとにかく声に出して読みたくなる。大手拓次の詩は、格好の対象だ。象徴としてのメタファーが鮮やかであり、吸い込まれるように魅了される。かつて夢中になった立原道造や津村信夫とはまったく異なる魅力、というより魔力。そ…

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