礼記
清少納言の視覚絵画的表現を追究する学びのほかに、もうひとつ探究したいテーマがある。春秋論争である。いつ、どこで、どのように始まったのか。日本では「中国から伝わった」と説明が付くけれど、どこにもその起源を探せないでいる。そこで読んでみたかったのが『礼記』である。
帯には「中国古代人の精神文化の粋」とあり、裏には「中国古代では、礼は社会生活上の規範だけでなく、政治制度や宗教的儀礼等、精神的・政治的なものと広い範囲で関わる。その豊かな内容をまとめた五経の一、礼記から、現代でも興味深い文を紹介し中国思想の特質を解説」とのこと。
結論から言うと、春秋の起源は探せなかった。しかしながら、古代中国の精神文化を知るために重要な事柄が記載されていることは事実。今後、何度も戻って読み続ける一冊である。精読を繰り返したい。