あけほのむらさき

花も鳥もこころの旅にいく昔いくうつりして春はあけほの

古今和歌六帖

 歌を詠み交わした平安時代、歌のあんちょことして愛用されていたのが『古今和歌六帖』という。約四千首が掲載され、類別は立春から歳暮まで歳時や自然の景物、服飾、恋愛、祝賀などを取り上げ多岐にわたる。

 平安人が作歌の際に換骨奪胎しながら利用していたとは、日日の暮らしに、いかに歌が浸透していたかを物語っており愉快な気持ちにさせられる。『枕草子』や『源氏物語』も少なからず影響を受けているという。

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