あけほのむらさき

花も鳥もこころの旅にいく昔いくうつりして春はあけほの

空と海と水平線

空と海と水平線…は好きな歌材で、季を問わず詠みたくなる。子どもの頃、よく青系の画材を取り出して、ただひたすら線を重ね引きし、空と海と水平線を描こうとした。視覚で濃淡を確かめる時間の心地よさ。やはりここにも心地よさが存在していた。 そんなこと…

良経の「枯野」詠草 

兄良通の急死から九条家の後嗣となり、妹任子の入内後、良経は歌人として才能を開花させていく。 最初の歌会主催は文治五年(一一八九年)、二十歳での雪十首歌会。これ以降、九条家を舞台に続々と歌会、歌合が開催され、新古今前夜的な時代に入ってゆく。 …

花月百首

藤原定家の拾遺愚草で花月百首*1を確かめた。歌人西行の追悼とは記されていないが、注釈欄には「建久元年(一一九〇年)九月十三日夜、九条良経の家で披講された」とある。作者は良経・慈円・定家・有家・寂蓮・丹後ら。同二十二日、百首から各自十首の撰歌…

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