あけほのむらさき

花も鳥もこころの旅にいく昔いくうつりして春はあけほの

2018-06-22から1日間の記事一覧

枕草子の描写表現

風巻景次郎は『中世の文学伝統』において枕草子の描写における「絵画的特色の粋」に触れ、「日本の歴史の上で未だあらわれたことのないものであった」と指摘している。例として最初に挙げているのは、「木の花は」の 34 段。 五月ついたちなどの頃ほひ、橘の…

文語と口語

口語短歌花盛りのコミュニティにあり、未来の三十一文字の姿を示してもらっている気持ちになる。現代において直情を発露するには、会話的口語表現はもっとも強い言葉の力を持つ。ただ巧く定型にはまる場合はいいのだが、はまらない場合には一瞬にして歌では…

旧仮名と新仮名

歌には旧仮名遣いを用いる。昔の時間とつながることができ心地良いことが理由。「詞は古く、心は新しく」の教えにも沿う。 けれど、ときどき、古さと新しさの混在に居心地の悪さを感じることもある。先日迷った「赤ずきん」と「赤づきん」。幼少時、絵本の扉…

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