あけほのむらさき

花も鳥もこころの旅にいく昔いくうつりして春はあけほの

特に動詞

 同じ定型短詩として俳句から学ぶことは多い。現代俳句協会のサイトにて読んだ「切れ、動詞、オノマトペ」の考察が興味深かった。

 切れ。上から下へと流れる叙情が歌の命でもあるので、自分はなるべく持たせないように心がけている。連作の際、例外はもちろんあるけれど。日本語の膠着語としての特徴を生かしたい。そういえば今井杏太郎の俳句には切れがないとどこかで読んだ。やはり。穏やかさを保つためには必要がない。少し慰められる。

 動詞。自分の歌がなぜときに落ち着かない歌なのか、理由を明かしてもらった。動詞が多すぎるのだ。叙述か提示か。俳句は提示だろうが、短歌は叙述が多い。平淡を保つためには、動きの少ない提示型を目指すべきなのだろう。いつも感じたままに詠み、意識したことがなかったので、目から鱗。

 オノマトペ。これは昔から言われているように、頻度に気を付けたい。最も感性や技量が露出される修辞かもしれないとも思う。

 専門誌を購読したことがない。ウェブ上での情報しか入手できず、今は歌会も存在せず。風穴を開けられない理由はこれか…とあらためて考える。

©akehonomurasaki