あけほのむらさき

花も鳥もこころの旅にいく昔いくうつりして春はあけほの

真名と仮名

 男の子だからと弟は真名、女の子だからとわたしと妹は仮名、にて命名された。歌の歴史を紐解けば、この命名は、男性のたしなむ漢籍に対して女性の遊ぶくずし字という発想の下にあったことが分かるわけで、昨今のジェンダー論争でやり玉にあげられそうなテーマか。

 子どものころ、仮名の名前は割と珍しかったのでいつも目立ってしまい、それが少し恥ずかしかった。でも、今はとても気に入っている。

 名前を見て、声に響かせてみると、名前通りになれる気持ちがする。名前の不思議、真名と仮名。

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